イギリス英語とアメリカ英語はどちらを学ぶのが正解?両者の違いも解説! 

英語中級~上級者になってくると、「イギリス英語とアメリカ英語の違い」に興味を持つ方もいるでしょう。

「イギリス英語とアメリカ英語は違う」となんとなく知っていても、具体的な違いはわからないという方は多いです。

どちらから学んだら良いのか迷う方もいるでしょう。

結論、どちらから学んでも問題はありません。

ですが、両者の違いについて知っておくと、より英語学習が楽しくなったりモールトークで話題にできたりしますよ。

今回は、違いの中でも下記の項目を詳しく解説します。

  • スペル
  • 発音
  • 文法
  • 単語

イギリス英語とアメリカ英語にどちらが正しいはない

イギリス英語とアメリカ英語にどちらが正解ということはありません。

自分が使いたい英語や、英語を使う環境に応じて選ぶことをオススメします。

アメリカ英語とイギリス英語のどちらを選ぶかのポイントは、以下の通りです。

  • アメリカ英語がオススメな人:アメリカ英語を話す人と仕事をする人、アメリカ英語の方がとっつきやすいと考えている人
  • イギリス英語がオススメな人:イギリス英語圏で仕事をする人、伝統的・格式高い英語を使いたい人

英語を仕事で使うのであれば、仕事相手が話している英語に合わせて学習するのがオススメです。

また、日本では学校教育や日頃の生活でアメリカ英語に触れる機会が多いので、アメリカ英語の方が学習しやすいと感じる方もいるでしょう。

それぞれに違った学びやすさがあるので、ぜひ本記事を参考にどちらが自分に合うか考えてみてください。

イギリス英語とアメリカ英語はここが違う!

イギリス英語とアメリカ英語では、何が違うのでしょうか。

代表的な5つの違いを一覧表にしました。

スペル ・er(米)とre(英)

・or(米)とour(英)など

発音 T、R、Aなどの発音
文法 ・過去形、過去分詞の末尾

・集合名詞 など

単語 ・秋:fall(米)autumn(英)

・映画:movie(米)film(英) など

使用国 ・イギリス英語:イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インド、パキスタン、アフリカ諸国、エジプト、マルタ共和国など

・アメリカ英語:アメリカ、カナダ、リベリア、フィリピン、南米、日本、韓国 など

それぞれの項目を解説します。

イギリス英語とアメリカ英語「スペルの違い」

イギリス英語とアメリカ英語の違いの1つ目は、「スペルの違い」です。

代表的なものを5つ解説します。

  • re(英)とer(米)
  • our(英)とor(米)
  • ise(英)とize(米)
  • ogue(英)とog(米)
  • ll(英)とl(米)

re(英)とer(米)

イギリス英語とアメリカ英語では、単語末尾の「er」の表記が異なります。

イギリス英語 アメリカ英語 意味
Centre Center 中央、中心地、センター
Metre Meter メートル
Fibre Fiber 繊維
Theatre Theater 劇場
Lire Lliter リットル

ただし、「人」を表す接尾辞としてのerの表記は、イギリス英語もアメリカ英語も同じです。

<例>

  • Player(プレーヤー、選手)
  • Designer(デザイナー)
  • Passenger(乗客)

our(英)とor(米)

末尾の「or」も、イギリス英語とアメリカ英語で異なります。

イギリス英語 アメリカ英語 意味
Colour Color
Humour Humor ユーモア
Favourite Favorite お気に入り
Neighbour Neighbor 近所の人
Behaviour Behavior 振る舞い、態度

「favourite/favorite」のように、末尾の「or」だけでなく語中の「or」もイギリス英語とアメリカ英語で異なる場合があります。

ise(英)とize(米)

接尾辞としての「ize」が、イギリス英語とアメリカ英語で異なる場合があります。

イギリス英語 アメリカ英語 意味
Recognise Recognize 認識する
Organise Organize 組織する
Realise Realize 理解する
Apologise Apologize 謝罪する
Memorise Memorize 記憶する

名詞化の接尾辞「tion」が付いた場合も、「ise/ize」の違いは引き継がれます。

<例>

Organisation(英)/Organization(米)

ogue(英)とog(米)

アメリカ英語の語尾の「og」が、イギリス英語では「ogue」になる場合があります。

イギリス英語 アメリカ英語 意味
Catalogue Catalog カタログ
Dialogue Dialog 会話、対話
Analogue Analog アナログ
Monologue Monolog 独白、モノローグ

ll(英)とl(米)

「l」で終わる単語を過去形や名詞、動名詞にする場合、イギリス英語では「ll」、アメリカ英語では「l」と表記します。

イギリス英語 アメリカ英語 元の単語
cancelled canceled Cancel(キャンセルする)
Traveller Traveler Travel(旅行する)
Jewellry Jewerly Jewel(宝石)
Modelling Modeling モデル
Labelled Labeled ラベル

イギリス英語とアメリカ英語「発音の違い」

イギリス英語とアメリカ英語では、発音が異なります。アメリカ英語よりもイギリス英語の方が聞き取りやすいと感じる人もいるでしょう。

代表的な例として、以下の3つについて発音の違いを紹介します。

  • Tの発音
  • Rの発音
  • Aの発音

Tの発音

イギリス英語では「T」の音をはっきりと発音するのに対し、アメリカ英語は「R」に近い発音になります。

<例>

  • Water:ウォーター(英)、ワーラー(米)
  • Party:パーティー(英)、パーリー(米)

Rの発音

「R」の発音は、アメリカ英語だと少し巻き舌気味に発音しますが、イギリス英語では語尾、語中の「R」は発音しません。イギリス英語の場合は、ただ音を伸ばしただけのように聞こえます。

<例>

  • Door:ドー(英)、ドーァ(米)
  • Store:ストー(英)、ストァ(米)

Aの発音

「A」の発音は、イギリス英語は「ア」、アメリカ英語は「エィ」と発音します。

<例>

  • Tomato:トマト(英)、トメィト(米)
  • Can:カン(英)、キャン(米)

イギリス英語とアメリカ英語「文法の違い」

イギリス英語とアメリカ英語には、文法レベルの違いも存在します。

代表的なものを3つ紹介します。

  • 過去形、過去分詞の末尾
  • 集合名詞
  • 過去形と完了形の使い方

過去形・過去分詞の末尾

1つ目は、過去形・過去分詞の末尾です。

アメリカ英語で過去形・過去分詞の末尾がedになるものは、イギリス英語では末尾がtになることがあります。

現在形/過去形/過去分詞
イギリス英語
  • burn / burnt / burnt
  • learn / learnt / learnt
  • dream / dreamt / dreamt
アメリカ英語
  • burn / burned  / burned
  • learn / learned / learned
  • dream / dreamed / dreamt  

集合名詞

2つ目の違いは、集合名詞の扱い方です。

アメリカ英語では集合名詞は単数扱いですが、イギリス英語は複数として扱われることが多いです。

<集合名詞の例>

  • Family(家族)
  • Audience(観客)
[例文]私の家族はニューヨークにいます。
My family is in New York.(米)
My family are in New York.(英)

集合名詞の「Family」は、アメリカ英語の場合は単数扱いとなるのでbe動詞は「is」を使います。イギリス英語の場合は複数として扱われるので、be動詞は「are」になります。

過去形と完了形の使い方

過去形と完了形の使い方も、イギリス英語とアメリカ英語で異なります。

過去に起きたことが現在にも関連している場合、アメリカ英語は過去形・現在完了形どちらでも使えますが、イギリス英語は現在完了形を使うことが多いです。

[例文]私は午後5時に仕事を終えました。
I finished work at 5pm.(米)
I have finished work at 5pm.(英)

この例文の場合、仕事を終えた状態が現在続いているので、イギリス英語では「have finished」と現在完了形になります。アメリカ英語の場合は「finished」と過去形で表現することが多いです。

イギリス英語とアメリカ英語「単語の違い」

イギリス英語とアメリカ英語で、単語が異なるというのも有名ですよね。代表的な例を10個紹介します。

意味 イギリス英語 アメリカ英語
Autumn Fall
映画 Film Movie
サッカー Football Soccer
エレベーター Lift Elevator
アパート Flat Apartment
お札 Note Bill
タクシー Taxi Cab
地下一階 Underground floor Basement floor
一階 Ground floor First floor
二階 First floor Second floor

とくに「一階」「二階」の単語の違いは混乱しやすいので、覚えておくことをオススメします。

イギリス英語とアメリカ英語、なぜ違う?

イギリス英語とアメリカ英語の違いには、歴史が関係しているといわれています。

アメリカにおける英語の歴史は、イギリス人がアメリカ大陸に移住してきた1600年ごろから始まりました。元は同じ英語を話していましたが、1776年のアメリカ独立宣言後に、アメリカ独自の英語が確立されていったといわれています。

歴史の他には、地理も言語の特徴と関連しています。

たとえば、イギリス英語は地理的に近いフランス語の影響を受けました。

遠く離れた土地で400年以上の時間を経るうち、言語が次第に変わっていったのですね。

参考記事:歴史で謎解き!フランス語文法 第18回 なぜ英語とフランス語は似ているの?

英語を学ぶならネイティブじゃなくたっていい

「イギリス英語とアメリカ英語、どちらを学ぶにしてもネイティブから学ばなければならない!」と考えている方は多いでしょう。

ですが、英語を学ぶのに必ずしもネイティブが適切とは限りません。

実は、ビジネスで英語を使っている人の約8割はノンネイティブです。

ビジネスシーンでは、かっこよく難しいフレーズを使いこなすよりも、「シンプル・丁寧・効果的」に物事を相手に伝えることが求められます。

そのため英会話を学ぶ際も、必ずしもネイティブ講師から学ばなければならないというわけではありません。それぞれの違いとメリットを把握し、自分に合う方を選ぶのがオススメです。

<ネイティブ講師とノンネイティ講師のメリット・デメリット>

メリット デメリット
ネイティブ講師
  • 発音がきれい
  • ハイレベルな英語
  • コストが高い
  • 学習者のつまずくポイントが伝わりにくい
ノンネイティブ講師
  • 世界中に講師がいる
  • コストが安い
  • 学習者のつまずくポイントに寄り添える
  • 英語はミッドレベル
  • 発音に訛りがある場合もある

ノンネイティブ講師の場合は、自身も一から英語を学習してきた経験を持っています。英語を学ぶ人の気持ちや、どこでつまづいているのかがわかるので、適切なサポートをしてもらいやすいです。

また、ノンネイティブの発音に慣れることができるため、実際のビジネスシーンと近い感覚で英語を学習できる点も魅力です。

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まとめ

イギリス英語とアメリカ英語の違いについて解説しました。

スペルや発音、文法、単語に違いがあり、両者を見比べてみるとおもしろい発見がありますね。

「一階(Ground floor/First floor)」「二階 (First floor/Second floor)」のように、よく使うけど混乱しやすいものを重点的に覚えておくことをオススメします。

違いを押さえておけば、スモールトークの話題にもできますよ。

イギリス英語とアメリカ英語どちらを学ぶべきか迷う人も多いと思いますが、どちらが正解ということはありません。実際に英語を使用するシーンや、自分に合うかどうかで選びましょう。

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