海外でビジネスをするには異文化理解が必要|日本文化との違いも解説

自社のビジネスを拡大させるために、海外企業との取引を考えている企業は多くあります。

「JETRO」の調査によると、2021年より海外進出を図る企業は徐々に増加しています。

参考記事:JETRO 日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査

しかし、海外へ展開するノウハウがない場合、スムーズにビジネスの拡大はできません。

海外文化を理解してポイントを押さえないと、円滑な意思疎通ができず、取引もうまく進まないでしょう。

本記事では、日本と海外の文化の違いや、海外のビジネスで押さえるべきポイントを解説します。

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【大前提】海外でビジネスをするためには異文化理解が必要

海外での取引や外国人の雇用をするには、相手の文化を理解し、それらに配慮した対応・発言が必要です。

日本と海外では、ビジネスの価値観や文化が異なります。

たとえば、日本には、定時に帰りにくい風潮のある企業が多く、自分の業務が終わっていても、他の人が仕事中ならば仕事を手伝うのが一般的です。

一方海外では自分の業務が終了すると、帰宅するのが普通です。

このため外国人が残業をする前提だと、仕事の進捗が遅れる可能性があります。

このように、文化の違いは、仕事を進める上で障壁になるかもしれません。

海外でビジネスをするためには異文化理解が欠かせないのです。

ビジネスにおける海外と日本の文化の違い

ビジネスにおける海外と日本の文化の違いを紹介します。

  • 海外では直接的な言い回しをする
  • 意思決定のスピードが日本より早い傾向にある
  • 日本ほど上下関係が重要視されるとは限らない

海外では直接的な言い回しをする

日本は遠回しな言い回しを好みますが、海外では言い回しがストレートです。

たとえば、日本人同士では、相手が文脈・話者の感情を読んでくれることは多いです。これを「ハイコンテクスト文化」と呼びますが、英語は反対の「ローコンテクスト」文化。

明確に伝えなければ文脈を理解してくれません。

たとえば「大丈夫」という言葉。日本では、ひとりでは抱えきれないタスクをもっている状態でも「大丈夫」と答えてしまうことがあります。

日本では部下の発言を鵜呑みにせず、上司が部下の表情とタスクから実態を判断するのです。

ところが海外では異なります。上司は言葉通りに理解し、部下に仕事をそのまま任せます。

海外文化を理解していないと、コミュニケーションは上手に取れません。伝えたいことを「シンプル・丁寧・効果的」に話すのが大切です。

意思決定のスピードが日本より早い傾向にある

海外企業は、意思決定が日本よりスピーディーです。

その理由は、意思決定方法の違いにあります。

  • トップダウン式:経営陣が意思決定を下層部へ通達、従業員がそれに従うスタイル
  • ボトムアップ式:現場が意見を上層部に伝え、上層部がまとめるスタイル

海外の場合、意思決定は上層部よりなされます。部下よりも上司の方がその仕事に詳しいという考え方が一般的だからです。

そのため、意思決定は上から下に指示をする形で降りるだけなので、スピードが速くなります。

一方、日本の場合は現場の部下から稟議のような形で上へ上へと承認を取る、ボトムアップ式の意思決定方法です。したがって、承認をひとりずつから取る必要があるため、時間がかかってしまうのです。

どちらがいいという話ではありませんが、海外の意思決定スピードに対し、日本企業の出す結論は遅いと言われています。海外企業と取引をする際は、相手の意思決定のスピードに遅れないように注意しましょう。

日本ほど上下関係が重要視されるとは限らない

海外では、日本ほど入社年数による上下関係が重要視されるとは限りません。

部下と上司は下の名前で呼び合う場合も多く、名前をあだ名で呼び合うといったこともよくあるのです。

日本の場合、入社が1年早いだけで上下関係ができてしまい、丁寧語や尊敬語を使用させる企業が多くあります。

しかし、上記の文化は海外では当たり前ではないと理解し、丁寧な説明をした上で組織改革を進める必要があります。

海外でビジネスをする上で押さえるべきポイント

海外でビジネスをする上で押さえるべきポイントは、以下の3つです。

  • トラブルが発生する可能性がある
  • 異文化を理解してコミュニケーションを取る必要がある
  • 相手へ正確に伝わるビジネス英語が必要になる

トラブルが発生する可能性がある

外国人を雇用すると、宗教などの違いから、日本人同士では考えられないトラブルが発生するでしょう。

たとえばイスラム教では1日に5回、指定された時間に礼拝が必要です。

しかし何も知らない日本人からすれば、1日に5回も休憩に行く「サボり癖のある人材」に見えてしまい、その方の上司も誤った評価をしてしまうかもしれません

上司と部下の間で不要なトラブルが発生する恐れがあるのです。

ちょっとした文化の違いから、思いがけないトラブルに発展してしまう可能性を理解しておく必要があります。

異文化を理解してコミュニケーションを取る必要がある

コミュニケーションの取り方にも注意が必要です。ビジネスにおいても異文化を理解して意思疎通をしないと、相手に不快な印象を与える可能性があります。

たとえば、海外でのジェスチャーによるコミュニケーションです。

海外では意思疎通を取るために、ボディ・ランゲージを使うことも多々あるでしょう。

しかし、ギリシャでは手の平を相手に向ける行為は侮辱を意味しますし、ドイツで真っすぐ手を上げるのは法律違反です。

取引に影響がでたり、外国人従業員との人間関係が悪化する可能性があるので注意しましょう。

相手へ正確に伝わるビジネス英語が必要になる

ビジネスで使用されるのは、一般英語ではなくビジネス英語です。ビジネス英語は日常英語と比較して、平易で伝わりやすい特徴があります。

このほか、下記のようなメリットもあります。

  • フォーマルな英語なので相手に失礼な印象を与えない
  • 主語と述語が明確なので誤解しにくい
  • 省略形などが使われず、非ネイティブでもわかりやすい

海外では、必ずしもネイティブと英語でやりとりするとは限りません。

ときには、非ネイティブ同士でのやりとりも必要になります。

その際、ついこなれた英語で話の中身をわかりづらくしてしまう…ということを避けるためにも、ビジネス英語を押さえておく必要があるでしょう。

異文化でも通用するビジネス英語を社員に学ばせるために

異文化でも通用するビジネス英語を社員に学ばせる方法は以下の3つです。

  • 動画教材を用いて自主学習をする
  • 通学型の英会話スクールに通う
  • オンライン英会話を受講する

なお、とくにオススメなのはオンライン英会話です。

時間や場所を気にせずにレッスンを受講できるので、忙しい社員でも継続して学習できます。

企業向けの英語研修について詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

関連記事:【一元管理OK】失敗しない企業向け英語研修 | 1000社以上が利用する秘密を公開

動画教材を用いて自主学習をさせる

ビジネス英語は、動画教材で学習可能です。YouTubeやDVD付きの参考書などで学習を進めるよう指示するとよいでしょう。

この際、効果的なのはシャドーイングです。

シャドーイングとは、英語を聞きながらその発音を真似をする英語学習のこと。

リピートとは異なり、聞こえた英語をそのまま繰り返すので難易度が下がり、リエゾンなどの発音も上手にできるようになるメリットがあります。

シャドーイングに慣れてきたら、聞こえた英語をそのままライティングするなど、少しずつレベルを上げていくのがオススメです。

ただし、動画教材で学習させる場合、疑問点を質問し解決することはできません。

間違った解釈のまま学習が進んでしまうことがあるので、注意が必要です。

通学型の英会話スクールに通わせる

通学型の英会話スクールに通わせると、講師から直接ビジネス英語を学べます。

通学型のメリットは下記の2点です。

  • 講師に疑問点を聞きやすい
  • モチベーションを高めやすい
  • サボり癖がつきにくい

通学型の英会話スクールは5人〜10人単位で授業を受けられます。

学習の中で疑問を感じた際には質問できるので、着実に英語力を伸ばせますよ。

ただし、通学型は英会話スクールに通う必要があるので、忙しい社員にはあまり向きません。

オンライン英会話を受講させる

場所を選ばないオンライン英会話は、隙間時間を有効に利用したい従業員にとくにオススメです。

オンライン英会話を受講させるメリットは、以下の通りです。

  • 英語でのコミュニケーション力を鍛えられる
  • 時間と場所を選ばずにレッスンを受講できる
  • 個人の学習に合わせてカリキュラムがある

オンライン英会話は、英語を話せる講師とマンツーマンで会話をするため、英語の文法構造や単語の他、コミュニケーション力も鍛えられます。

他の学習法よりもアウトプットの機会が増えるため、実用的な英語力を鍛えることが可能です。

海外ビジネスで成功するためにはポータブルスキルも必要

ポータブルスキルとは、業種・職種が変わっても活かせるスキルのことです。

主に以下のようなスキルを指します。

  • 営業力
  • 思考力
  • 課題解決力

ビジネス英語ができても、取引を有利に進める営業力や社員の仕事の進捗を管理するマネジメント力がないと、成果は出ないでしょう。

海外でビジネスを成功させるには、基本的な英語力の他、社員にポータブルスキルを学ばせる必要があります。

営業力があると、商談で取引先の意見を汲み取り最適な提案ができますし、潜在的なニーズを傾聴することが可能です。

そのため、社員のビジネス英語力とポータブルスキルを同時に鍛えられる英会話スクールを利用するとよいでしょう。

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講師陣はみな過去にビジネスで英語を使ったことのある経験者です。そのため、ビジネス英語を使う際の注意点なども熟知しています。

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まとめ

海外企業との商談や外国人の雇用をするには、異文化への理解が必須です。

日本と海外の文化の違いとしては、言葉の伝え方や意思決定のスピードが異なる点が挙げられます。

異文化に配慮をしてコミュニケーションをとらないと、仕事での連携ミスが生じる恐れもあるので注意が必要です。

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