異文化理解のメリットとは?異文化理解の必要性や注意点も紹介

昨今グローバル化が進み、日本でも外国人と接する機会が増えてきました。

仕事においても、グローバルな人材を求める企業が増えてきています。

グローバルな人材に必要なもののひとつに「異文化理解」があります。

異文化理解ができていなければ、言語が堪能でも会話が成立しなかったり、相手を理解できなかったりするでしょう。

この記事では、グローバルな人材に欠かせない「異文化理解」について紹介します。

とくに「将来は海外で働きたい」「駐在員として海外勤務を目指している」という方は参考にしてください。

異文化理解とは

異文化理解とは、自分とは違う文化や習慣、考え方、価値観などを受け入れることです。

海外に行くと文化や習慣の違いを強く感じますが、日本にいても考え方や価値観が違う人と出会うこともあります。

異文化理解とは、文化や習慣の違いだけでなく、考え方や価値観が違うことを理解し、受け入れようとする態度のことをさします。

異文化理解が必要になる理由2つ

最近では日本でも、様々な場面で働く外国人を見かけることが増えてきました。

事実、厚生労働省も「令和4年10月末の時点で外国人労働者は約182万人、前年比 95,504 人増加し過去最高を更新した」と発表しています。

参考資料:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和4年10月末現在)

外国人と円滑なコミュニケーションをとるためには、相手の文化や習慣を理解し受け入れることが必要になります。

グローバル化にともない、異文化理解が必要になる理由は下記の2つです。

  • 文化の違いから相手に不快感を与える可能性がある
  • 文化の違いからコミュニケーション方法が変わる

ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

異文化理解の必要性については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

関連記事:海外でビジネスをするには異文化理解が必要|日本文化との違いも解説

文化の違いから相手に不快感を与える可能性がある

コミュニケーションをとるときには、文化の違いを理解していなければ相手に不快感を与える可能性があるため、注意が必要です。

たとえば、話すときに使うジェスチャー。
日本では当たり前に使っているジェスチャーが、海外では侮辱や危険な意味をもっていることもあります。

海外ではネガティブな意味をもつジェスチャーを少し紹介します。

  • ピースサイン:ギリシャでは相手を侮辱する意味をもつ
  • 小指を立てる:シンガポール・インドネシア・中国では「最低」「役立たず」の意味をもつ
  • オッケーサイン:フランスでは相手を「無能」と卑下する意味をもつ
  • 手のひらを相手に向ける:ギリシャでは嫌がらせや屈辱的な意味をもつ
  • 手招きをする:海外では「あっちへ行け」という意味をもつ

知らないと相手に不快感を与えてしまうことがあるため、文化や習慣の違いを理解することは非常に大切です。

文化の違いからコミュニケーション方法が変わる

文化の違いにより、コミュニケーションの方法は変わります。

たとえば日本は「ハイコンテクスト」な文化ですが、欧米は「ローコンテクスト」な文化です。

ハイコンテクストとは、表情や変化や声のトーンなど言葉以外の表現に頼るコミュニケーション方法。「空気を読む」「行間を読む」などの暗黙の了解が多いのが、ハイコンテクスト文化の特徴です。

一方ローコンテクストとは、はっきりと言葉にするコミュニケーション方法。

他民族が生活する国や地域では共通の文化や習慣が少ないため、考えや意見を口に出して伝える必要があるのです。

相手の国がハイコンテクストな文化なのか、ローコンテクストな文化なのかを理解していなければ、言語が堪能でも円滑なコミュニケーションをとるのは難しいでしょう。

異文化を理解するメリット7つ

異文化を理解することで、多くのメリットがあります。
ここでは異文化を理解するメリットを7つ紹介します。

  • 外国人と働く際に成果を出せる
  • リーダーシップが身につく
  • 視野が拡がる
  • 語学が身につく
  • 忍耐力がつく
  • 柔軟性が身につく
  • 自国について理解が深まる

ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

外国人と働く際に成果を出せる

異文化が理解できると、外国人と働く際に成果を出せるというメリットがあります。

外国人と働くことになったときに、異文化理解ができていないとお互いに理解するのが難しいですよね。

お互いの文化や習慣がわからないと、自分の理解できない相手の発言や行動に対して不満を持ってしまうことがあります。

不満を持った状態で一緒に仕事をしても、効率が悪くなるばかりか仕事のパフォーマンスも下がっていく一方でしょう。

反対に異文化理解が深まっていると、相手の習慣や価値観を尊重しながら効率よく仕事を進められます。

リーダーシップが身につく

異文化を理解することで、上司として文化や習慣が違うメンバーたちをまとめやすくなります。

日本の常識で考えてしまうと「なぜこれができないんだ」「なぜこんなことをするのだろう?」と、メンバーの考え方が理解できなかったり、うまく指示できなかったりするかもしれません。

しかし彼らの文化や習慣が理解できれば、より彼らに合った声かけや行動でチームをひとつにまとめられるようになります。

視野が広がる

さまざまな文化や習慣、価値観に触れることで視野が広がるのもメリットのひとつです。

異文化を理解すると、自分の価値観が大きく変わることがあります。

一般常識だと思っていたことが、海外では常識ではなかったとわかるからですね。

たとえば、

  • 空気を読むことが海外ではそこまで必要ではない
  • 海外では思ったことはハッキリいう
  • 海外では自分の意見をいうことが大切

など、日本では当たり前だったことが海外ではまったく通用しないことも多いのです。

異文化を理解することで、今までとはまったく違うものの見方ができるようになりますよ。

語学が身につく

異文化を理解しようとすると、語学が身につくというメリットもあります。

異文化を理解するためには、会話などのコミュニケーションが必要です。

相手とコミュニケーションをとるには、相手の言葉や世界共通語の英語を話す必要がありますよね。

異文化を理解するためにコミュニケーションをとることで、あわせて語学の上達も期待できます。

海外で働くのに必要な英語力については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

参考記事:海外で働くのに必要な英語力は!?話せない人はどうすればいい?

忍耐力がつく

今まで自分が知らなかった異文化を理解するには、忍耐力が必要になります。

とくに外国人の同僚と働く場合など、日本人ばかりの環境では当たり前だったことがまったく通用しなくなることがあります。

最初はイライラしたり不満がたまったりするかもしれません。

しかし、毎日一緒に仕事をすることで、少しずつでも相手の文化や習慣が理解できるようになるでしょう。

異文化が理解できれば、イライラしたり不満をもつことは少なくなっていきます。自然に忍耐力がついていきますよ。

柔軟性が身につく

異文化を理解することで、柔軟性が身につくというメリットもあります。

異なる習慣や価値観を受け入れるには、柔軟な考え方が必要です。

文化も習慣も違う外国人と一緒に働けば、日本人だけの環境で働いていたときには起こらなかったハプニングが起こる可能性もあります。

そのようなときでも、柔軟に対応できる能力が鍛えられますよ。

頭をやわらかくして、相手の文化や習慣、価値観を受け入れるようにしましょう。

自国について理解が深まる

異文化を理解することで、自国についての理解が深まるというメリットもあります。

海外に行ったことがなく、まわりに外国人がいない環境で生活していると「日本の常識が世界の常識」だと思ってしまいますよね。

異文化を知り、理解することで自国のよい面・悪い面に気づけます。

自国について内からではなく外から客観的に見られるようになり、より理解が深まりますよ。

異文化を理解するときの注意点5つ

異文化を理解するときの注意点はこちらの5つです。

  • 「考え方や価値観は違って当然」という気持ちをもつこと
  • コミュニケーション方法の違いを理解すること
  • 間違いを恐れないこと
  • 言語だけでなく、表情やしぐさも大切にすること
  • 日本の文化や習慣を押しつけないこと

ひとつずつ、詳しく見ていきましょう。

相手を理解したいと思う気持ちをもつこと

異文化を理解するときに大切なのは「みな考え方や価値観は違うもの」という気持ちをもつことです。

日本には、日本人同士でしか通用しない「暗黙の了解」「暗黙のルール」が数多く存在します。

たとえば、

  • 空気を読む
  • 行間を読む
  • 忖度する
  • 電車やエレベーターでは降りる人が優先
  • 食事の前後には「いただきます」「ごちそうさまでした」をいう
  • 家に入るときには靴を脱いで揃える

などは、日本人同士でしか通用しない暗黙のルールですよね。

これらのルールは、日本では通じても海外ではまったく通用しません。

「なぜわからないのか」ではなく「考え方や価値観は違って当然」という気持ちで接するようにしましょう。

コミュニケーション方法の違いを理解すること

異文化を理解するときには、コミュニケーション方法の違いを理解するとスムーズです。

空気や行間を読む文化(ハイコンテクスト文化)の日本と、思ったことをはっきりと口にする文化(ローコンテクスト)文化の国では、コミュニケーション方法がまったく違いますよね。

コミュニケーションをとるときには、その国がハイコンテクストかローコンテクストかを考えてみましょう。

間違いを恐れないこと

「自分の意見をいうのが苦手」な人も多いかもしれませんが、海外のコミュニケーションでは自分の意見をはっきりいうのが基本。

黙っていると「意見のない人」「何も考えていない人」と思われてしまいます。

Yes/Noをはっきり意思表示するようにしましょう。

また「英語に自信がないから間違うのがこわい」とコミュニケーションがとれないのはもったいないです。

英語の文法が少しくらい間違っていても、英語は通じるもの。

間違いを恐れず、コミュニケーションを楽しみましょう。

言語だけでなく、表情やしぐさも大切にすること

異文化を理解するためのコミュニケーションでは、言葉だけでなく表情やしぐさも大切です。

細かいしぐさやジェスチャーは国によって違うことがありますが、最初のあいさつ時の笑顔に好感を持たれるのは万国共通。

にこやかな人と話すのと、しかめっ面な人と話すのでは話の盛り上がり方が違いますよね。

しかめっ面な人とは「あまり話したくないな」と思ってしまう人も多いでしょう。

初対面の印象は非常に大切です。普段からにこやかな表情を心掛けておきましょう。

ボディランゲージもうまく使いながら会話できるとよいですね。

日本の文化や習慣を押しつけないこと

日本人同士なら当たり前なことでも、文化や習慣が違う人には通用しません。

たとえば「家に入るときには靴を脱いでそろえる」「食事の前後にいただきます・ご馳走様でしたをいう」など、日本には外国人にとっては当たり前でない文化が多くあります。

「日本ではこうだから」と日本の文化や習慣を押しつけないよう気をつけましょう。

異文化理解ができる人材になるために | ベースとなる英語力は「ビジネス英語」が役立つ

異文化理解を進めていく上で必要になるのが、外国の方とのコミュニケーションです。

とくにビジネスで今後外国の方と関わっていきたいという方には、押さえておいてほしいポイントがあります。

それは「日常英会話よりビジネス英語の方が簡単だということ」です。

ビジネス英語は日常英会話より難しいと思っている方が多いかもしれませんが、実はビジネス英語の方が使う単語やフレーズが一般英語よりも少ないのです。

日常英会話に必要な単語数が3,000~4,000語なのに対し、ビジネス英語で使う単語数は1,500語。

1,500語が身についていれば、ビジネスシーンで十分コミュニケーションが取れるんです。

また、英語話者の約8割が第二言語として英語を話す人たちです。

そのためネイティブのような難しいフレーズを使うよりも、誰にでもわかりやすくシンプルな言葉で話すことが求められます。

日常英会話・ビジネス英語に必要な単語数については、こちらの記事で詳しく解説しています。

関連記事:日常英会話・ビジネス英語に必要な単語数とは|効率的な覚え方やおすすめ単語帳・本も紹介

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異文化理解のメリット まとめ

今後ますますグローバル化がすすみ、異文化理解の必要性が高まっていくことが予想されます。

まわりに外国人が増えれば、今までの常識が通用しないことも出てくるでしょう。

異文化を理解するのにオススメなのは、英語を通して外国人と積極的にコミュニケーションを取る方法です。

世界共通語の英語が話せれば、より多くの人とコミュニケーションが取れるため、さまざまな異文化に触れられますよ。

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